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[スカウターはなぜ「爆発」するの?ロボット工学の専門家に聞いたら、めちゃくちゃ説得力のある答えが帰ってきた]| 【公式】ドラゴンボールオフィシャルサイト
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#####  早速ですが、先生の開発した「ブタの体重をカメラ越しに計測する」デバイスとはどんなものでしょうか?  3Dカメラとスマートグラス(メガネ型ディスプレイ)をヘルメットに取り付けたデバイスです。スマートグラスには、カメラで撮影した風景がリアルタイムに表示されます。  デバイスの構造(川末さん提供) カメラでブタを撮影すると、その体重がスマートグラスに表示される、という仕組みですね。  スマートグラスに表示される映像(川末さん提供)  すごい! 半透明のディスプレイに透けて表示されるところなんか、スカウターそのものですね……。でも、体重を測るだけならブタを体重計に乗せればいいんじゃないか、とも思うのですが、なぜこの形に?  ブタの体重は豚衡(とんこう)機という体重計で数人がかりで測るのですが、その際、ブタが体重計に乗るのをいやがるんです。出荷に最も適した体重は115kgくらい(編注:一般的にブタは体重に応じて出荷価格が決まる)ですが、その頃になると体も大きくて、力も強い。そんなブタを養豚業者は1日に100頭近く、四苦八苦しながら体重計に乗せているんですね。大変な作業です。でもこの装置を使えば、「カメラでブタを映す」だけで体重を測れるので、作業がずいぶん楽になります。  なるほど。でも、まだすっきりしないのですが、なぜわざわざ頭に装着するんですか? 例えば、自撮り棒のように手に持ったカメラでブタを撮る、というスタイルでもいいように思うのですが。  最初はそういう形状を想定していたんですが、ブタって想像以上に素早く動くので、自撮り棒に装着したカメラだとアングルを合わせるのが難しくて。 でも、人間は本能的に対象を目で追いますから、カメラを頭につけた方がブタのスピードに対応しやすい。撮影する位置も高くなるし。  では、ディスプレイをスマートグラスにする、という仕様も後から……?  はい。最初は普通のディスプレイを使っていたのですが、スマートグラスの存在を知った瞬間に「これは使える……!」と思いましてね。カメラもディスプレイも頭にまとめると両手が空くので、ブタを誘導したり数値をメモしたりと、他の作業も同時にできて効率が良いんです。  確かに、両手が使えると作業効率が段違いです。そう考えると、スカウターも戦闘員用の設計なんでしょうね。**フリーザ一味が、片手に自撮り棒付きのカメラ、片手に大型ディスプレイを持っていたら、威圧感ゼロですから。**  ##### ブタ数千頭のデータをAIで分析 #####  カメラで撮影したブタの体重が分かる、という機能はどういう仕組みで成り立っているのでしょう?  撮影した画像をAI(人工知能)に解析させてブタの体長・体高・胸囲などのデータを弾き出し、そこから体重を予測しているんですね。もちろん、ただ撮影しただけでは計測できません。体長・体高・胸囲などと体重を紐付けられるように、養豚業者の皆さんからブタ数千頭の体型と体重のデータを集めました。  ブタの体長・体高・胸囲と体重を紐付けるためのデータ処理過程(川末さん提供)  数千頭! 業者さんの協力がないと実現できませんね。  養豚大国・宮崎の地の利もあり、どんどんデータが集まりました。 もともと計測作業が大変過ぎるので、見た目で体重を予想して出荷しているベテランの業者さんもいるくらいですから、作業効率化に対する現場のニーズも高かったのだと思います。  経験と勘に頼っていた部分を、この装置が一気に解消してくれると。  はい。ちなみに、国際的に展開する目的(編注:スマートグラスを活用したリアルタイムの計測システムは世界初)で、海外の養豚業者さんにも使っていただいているのですが、結構反響があって。  ドイツの豚舎で使われている様子(川末さん提供)  近未来感がすごい! ##### 30年以上前にスカウターを描いた鳥山先生のスゴさ #####  先生はやはりスカウターをイメージしてこの装置を作られたのでしょうか?  作る前から知っていたわけではありません。ただ、作った後、学生らがこの装置を見て「スカウターだ!」と言うんです。それがきっかけでスカウターの存在を知って、ドラゴンボールの原作も読みました。 スカウターに形状や機能が似ているので、今では、 **この装置を「スカ豚〜」という愛称で紹介**しているくらいです。   最高のネーミングです。  漫画の中でスカウターが描かれたのは、原作を読む限り、1990年ごろでしょうか。 当時の技術レベルを考えると、この機能や形状は、読者の方々にとても斬新に受け止められたのではないか、と思います。  僕は当時小学生でしたが、クラスで大流行していましたね。みんな厚紙とセロハンでオリジナルのスカウターを作っていた。  インターネットもスマートフォンもない時代に通信機能もある、小さなPCを内蔵した装置を想像できたのはすごいです。つくづく、鳥山明さんの先見性には驚かされます。   そう、ものすごく多機能なスマートデバイスなんです。現代のスマートフォンのように。「はるかに進んだ技術」の到達点がああいう形になるのを30年以上前に見通していたのは、メカ愛に満ちた鳥山先生ならではですね。  そうですね、予知能力がある、と言ってもいいくらいだと思います。 ##### いつかは競馬場で活躍? 未来のスカウター活用方法 #####  ところで「スカ豚〜」の機能は、ブタの体重を測る場面以外にも応用できそうですよね。例えば、人の体重は測れないんですか?  それは真っ先に聞かれますが、服を着ている状態だと撮影対象の形が変わるので正確な体重を測れなくて。そもそも人の体重を勝手に測るような装置を開発していいのかという倫理的な問題もありますし。 でも、赤ちゃんの体重を測ることに応用する研究は今進めているところです。  赤ちゃんは体重計で測らない方がいいメリットがあるんでしょうか?  簡単に手で触れられない場合があるんです。体重が1000gにも満たないまま産まれてしまった赤ちゃんは、超低出生体重児と呼ばれます。極めて脆弱なために、ちょっと触るだけでも赤ちゃんにとっては大きなストレスになります。  宮崎大学附属病院で新生児の体重計測に活用されるスカウター(川末さん提供)  なるほど、生まれたばかりの赤ちゃんなら服を着ていないことが多いからこの装置を使えると。では他の家畜、例えば牛の体重を測ることはできないんですか?  牛はブタよりも、出荷価格に及ぼす体重の影響が少ないので、厳密な体重管理はそこまで必要ないんです。なので、ブタほど体重計測のニーズはありません。あと牛は肉質に価格が左右されやすいので、肉質の良し悪しを外見だけで当てる「目利き」の人がいて、彼らの存在感が大きいんですよね。  なるほど、装置でも測れないパラメータがあるわけですね。スマートグラスで牛を見ていると、その目利きの方に**「スカウターをはずせ、そんな数字はあてにはならん」なんて言われそう**ですね。   そういえば、この間誰かに言われたのが、競走馬のレース前の状態を測って調子を分析する装置を作ったら競馬ファンに売れるよ、と。  それは間違いない! となると、近い未来、競馬場のパドックにスカウターを装着した人がずらっと並ぶ可能性もある
Provenance
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